板宿駅前ファミリー歯科の予防歯科についての考え方
現在新型コロナウイルスが猛威を振るっています。
歯科医院での定期的なクリーニングにより口腔内の清潔を保つことは、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスを含む他のウイルス性感染症の感染予防に効果があることが分かっています。
ウイルスは、目・鼻・喉の粘膜から侵入して増殖します。
私たちの口腔内には、健康な人の場合でも約３００種類、数にして約２億個ともいわれる微生物が住み着いています。
それらの微生物は口腔内の環境により悪玉菌が増えたり、善玉菌が増えたり常に変化をしています。
もちろん、口腔内が不衛生になると悪玉菌が増えてしまいます。
それらの悪玉口腔内細菌は、プロテアーゼと呼ばれる分解酵素を出して粘膜の糖たんぱく質を溶解させてしまいます。
結果、ウイルスが体内に侵入しやすくなるわけです。
つまり定期的に歯科医院でクリーニングを行い口腔内の清潔を保つことは、口腔内の細菌の数を減らすことになりウイルス感染しにくくなると言えます。
それだけではなく、歯周病に罹患していると高血圧・糖尿病・関節リウマチ・非アルコール性脂肪性肝炎・慢性腎臓病などを悪化させるだけでなく、肺炎や気管支炎、心臓血管疾患（心内膜炎・狭心症・心筋梗塞・脳卒中など）を引き起こしたり、早産や低体重児の出産に関係することがわかっています。
なぜならば慢性歯周病の患者さんは歯肉に常に小さな炎症を抱えており、歯肉の毛細血管を伝って全身に悪玉微生物や炎症物質（ケミカルメディエーター）を撒き散らしているからです。
そしてこれらが全身の病気を誘発する場合もあります。
歯周病菌は、肺炎の原因菌とともに気管→気管支→肺へと到達して感染して炎症を起こします。口腔内では、歯肉に炎症が起きて歯肉が腫れます。患者さんによっては、ブラッシングの時に出血するため出血部分に歯ブラシの毛先を充てるのを避ける方もおられます。
デンソー保険組合の統計では、定期的に歯科検診を受けている方が歯科医療費・一般医療費ともに受けていない人よりも低いことが分かっています。
つまり定期的に歯科医院に受診して、歯のクリーニングなどを行い口腔内を清潔に保つことは、体全体の健康にも良いということなのです。
今まで、歯医者へ行くのは「歯が痛くなった時」もしくは「虫歯の治療をするために」という考え方ではありませんでしたか？
もちろん、治療医療は必要不可欠ですが治療医療のみだけ進んでしまうと、結果的に虫歯や歯周病が増え続けてしまうのが現実なのです。
これからは、しっかり予防歯科を行い、いかに虫歯で歯を削らないか、歯周病で歯を抜かないかが大切です。
虫歯や歯周病にならないために日頃から歯医者さんで管理、指導する新しい歯科医療、それが予防歯科医療です。
